メンバーも待ちに待ったこの日、緊張感と高揚感に胸躍らせながら午前中のリハーサルを無事に終えて、午後からお客様をお迎えしました。
当日は、お天気には恵まれたものの気温が低く心配しておりましたが、本当にたくさんの方にお集まり頂き、ほぼ満席の会場を見たときには、メンバー同士、嬉しくて思わず顔を見合わせてしまいました。(^^)
今回は誰にも共通するテーマや作品の大きな力もありましたので、お客様も30代から70代の方まで幅広く、男性の方もたくさんいらっしゃいました。
映画の進行につれて音声ガイドの穏やかな語り口にも引き込まれ、会場からはすすり泣く声も聞こえてきました。最後のジミー・デイビスの歌声の頃には、客席が一つになったよう…というのは言い過ぎでしょうか。
アンケートもたくさんの回答を頂きました。有難いことに、ほとんどの方から温かいお言葉や応援のメッセージが添えられていました。
その後「ユキエ」について、松井久子監督とBmap理事長 瀬尾亜希子との対談が舞台で行われました。
(左、理事長 瀬尾 右、松井久子監督)
松井監督からは、アルツハイマー病に対して介護する立場よりも、介護される立場から描きたかったこと、「スローグッバイ」はレーガン元大統領を介護されるナンシー夫人の言葉で、アメリカで取材中に介護中の方から教えてもらったこと、ユキエとリチャードはアメリカの夫婦ならではの絆で結ばれたカップルだが、私たちも夫婦あるいは今現在築いているさまざまな人間関係をこれからも大切に積み重ねていくことで、新しい何かが生まれるのではないか、など興味深いお話をして下さいました。
監督は最後に、障害のある方から直接今回の感想を伺いたいとおっしゃいました。
視覚障害の方、聴覚障害の方も挙手して下さり、何も使わずガイドが聴こえる快適さや、今後字幕をどの映画でもつけてほしいというご意見を頂きました。健常者の方々も頷いて下さっていて、正に会場全体がバリアフリーのあたたかな空気に包まれていました。
まだまだ勉強中の私達ですが、皆様から頂いたお言葉を励みに、ひとつの作品をみんなで共有できる、バリアフリー映画の素晴らしさをさらに広めていきたいと思っています。
ご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました。
『ユキエ』(1998年)
監督 松井久子
音声ガイド制作 Bmap(大澤英子・篠田和見・玉井房恵・藤原くに子・望月睦・田中直子)
監修 瀬尾亜希子
ライブ音声ガイド 大澤英子
(記 田中)